老いるとは産まれたときに戻っていくこと

老いることは産まれたときに戻っていくということ

親の”老い”を看て

親はいつまでも若くない

幼少期、親は大きく強く守ってくれるものと思っていました。
昭和の母親は働き者で、いつも健康で、わがままを聞いてくれて、温かい存在。
父親はまじめなサラリーマンで、持ち家を誇りに思い、家族のために定年退職まで一途に働き、困ったことがあったら解決してくれる頼りになる存在でした。

自分が成長し、結婚し家庭を持ち、親となり、ふと気づいたら親は老いていました

仕事をしなくなり、わずかな友人とお茶やカラオケで盛り上がり、旅行や居酒屋で飲みたおし、悠々自適な生活を楽しんでいるように思えたのはつかの間。
視力低下、歩行機能低下、認知症発症、糖尿病発症…どんどん不健康になっていきました。

毎日のように複数の病院にかかり、山のような薬を内服していました。
当然、薬の管理は自分でできず、服用を忘れて、数日分をまとめて飲もうとしたり、飲み合わせも考えず、さらに複数のサプリを服用したり、目が離せない状態になってきました。

後期高齢老夫婦はできなくなることがどんどん増える

自動車運転免許証を自主返納し、自転車の運転も転倒が重なりやめさせました。
行動範囲が狭くなり、買い物に行くにも困難で、今度いつくるかと、毎日のように電話がかかってきました。
お酒の好きだった父は、我慢できず自分でコンビニまで出かけたものの、帰り道がわからなくなり、警察のお世話になったことも…

困ったわたしたちは、介護サービスをお願いし、ヘルパーさんに家事や買い物代行を手配するも、お手伝いさんなんて贅沢はご近所に恥ずかしいと、受け入れを拒否。私たちを混乱させました。

それでも後期高齢夫婦は、自分たちでなんとかすると頑張っていました。

ある日、自分の家のトイレがどこかわからなくなり大惨事に…
施設入所せざるを得ない状態でした。

老いていくことは赤ちゃん返り?

施設での父はおだやかでした。
周りの皆さんに見守られ、ほんのわずかですが飲酒というわがままも聞いてもらえる。
最期はコロナ罹患後の誤嚥性肺炎で逝きましたが、過程をみてきてふと気づいたのです。

老いていくこと→できなくなることが増えていく悲しいこと
これは
赤ちゃんが成長していく→できることが増えていく喜ばしいこと
の逆をいっている。
つまり、人生を終えていくというための必然過程であると。

後期高齢者を見守る ~まとめ~

2024年9月現在日本の高齢者人口の割合は、総人口に占める65歳以上の割合が29.3%で過去最高。うち75歳以上の人口は3625万人と、前年より2万人増加
内閣府 高齢化の状況

平均寿命は、男性81.09歳 女性87.14歳といわれ、ますます高齢者だらけの世の中がやってきます。

現役世代1.3人で1人を支える時代です。

日常生活も出来なくなっていく親たちに、時としてイライラしたら、口の達者な大きい赤ちゃんだと思い接していく。お互いにストレスをためず見守っていけたら、超高齢化社会も無事迎えられる気がします。

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